2023.07.03

eトレお役立ち情報

「個別対応」に特化したプリント演習が決め手! ~夏期講習は最少の講師数で確実な学力アップを目指せ~(1)

新年度の生徒募集はいかがでしたでしょうか。順調に生徒が集まった教室、思うような結果にならなかった教室などさまざまだと思いますが、生徒募集の第2のビッグチャンスである夏期講習の時期が間もなくやってきます。そこで今回は、夏期講習で生徒募集を成功させるためのポイントとその実践方法をご紹介します。

まず、夏期講習に生徒、保護者が求めているものとは何でしょう。
それはズバリ『個別対応』と『確実な学力アップ』です。 学力格差が広がる中、生徒の抱えている問題は一人ひとりまったく異なると言っても過言ではありません。そういった生徒たちに対して一律のカリキュラムの指導だけでは、学力向上が期待できないだけではなく、講習会としての魅力にも欠けてしまいます。

また、『個別対応』と言えば『個別指導』を思い浮かべるかもしれませんが、1対1~3といった個別指導は人件費が割高となり、講師確保の問題などいろいろと難しい側面がある割には、なかなか学力向上にはつながらないという話も耳にします。

そこで今回ご提案したいのが、『最少の講師数』で『確実な学力アップ』を実現するための夏期講習プランニングです。ぜひご参考にしていただき、生徒や保護者のニーズをがっちりつかみ、実りある夏期講習にしていただきたいと思います。

 

個別対応力の強化が夏期講習成功のカギ

すでにご承知のこととは思いますが、夏に入塾を希望する生徒の状況をもう一度考えてみましょう。
まず考えられることは、1学期の定期テストで思うような結果が出なかったということです。特に中1生にとっては初めての定期テスト。「これはまずい」と思った保護者が子どもを塾に連れてくることが多くあります。

そしてもう一つは、入試のための勉強です。これまで何となくのんびりしていた生徒、保護者でも、周りがどんどん動き出しますから、「うちも何かやらなきゃ」と焦りだして入塾するケースも多くあります。いずれのケースも、たくさんの先生がご経験のことでしょう。

そんな生徒や保護者が塾に期待しているものは、言うまでもなく、自分に対する特別な対応です。
「定期テストで数学ができなかったから重点的に教えてほしい」、「入試に向けてとにかく英語を何とかしたい」など、新年度での入塾に比べて学習したい内容がある程度はっきりしているのが夏の入塾生の特徴ですから、それぞれに応える体制を他塾に比べてより強化することが、夏期講習成功の鍵となります。

 

個別対応の強化と人材確保の悩み

いろいろな先生方とお話すると、「個別対応が必要なことは承知しているけれど、人材の確保が難しく、また人件費の負担もばかにならない」といった声をよく聞きます。特に地方の塾では人材確保の悩みは切実です。

しかし一方で、地方にあり決して大手ではないながらも、「個別カリキュラム」や「オーダーメイドコース」などと銘打ち集客に成功し、さらに生徒の学力を確実に伸ばしている塾が数多くあるのも事実です。そういった塾のすべてが、決してたくさんの講師を配置し個別対応を充実させているわけではないのです。

一般的に、「個別対応の強化=人材の確保、人件費の負担増」と考えられがちですが、ここでは一旦その考えは捨てていただきたいと思います。十分な人材を確保しなくても個別対応を強化する方法があるのです。

 

個別対応でも学力が上がらない生徒とは

すでに皆さまの塾の中には、十分な数の講師を配置して、生徒の弱点や理解度に応じた個別カリキュラムで指導をしているところもあるでしょう。それにもかかわらず、学力がなかなか定着せず、成績に反映されないという生徒もいるのではないでしょうか。ではなぜ、指導体制は整っているのに学力が上がらないということが起こるのでしょうか。

 

「教え過ぎ」と「演習不足」

もちろん学力が上がらない理由を一概に言うことはできませんが、多くの場合、共通して言えることがあります。それが先生の「教え過ぎ」と生徒の「演習不足」です。

生徒にしっかり理解させようとすればするほど、先生は生徒に事細かに教えたくなります。生徒からしてみても、分からないことは先生が丁寧に教えてくれますから、その場では分かったつもりになってしまいます。そしてこれは、指導熱心な先生になればなるほどその傾向が強くなりがちです。

特に個別指導の場合、生徒が講師に頼りっきりになってしまい、ただ先生の言うことを聞いているだけという状況が生まれることも往々にしてあります。そうなってしまっては、いくら個別のカリキュラムで丁寧に分かりやすく指導したとしても、学力の定着、向上は見込めません。

学力とは、生徒が自発的に考え、悩み、問題を解いていくことで初めて自分の実力として身に付いていくものなのです。ここを勘違いしてしまい、しっかりと指導はしているのに全然問題が解けないと悩んでいる先生方は意外と多いのです。

「教え過ぎないこと」そして「しっかり演習させること」、これが学力向上を実現するための大切なポイントです。

 

「個別対応」に特化したプリント演習が決め手! ~夏期講習は最少の講師数で確実な学力アップを目指せ~(2)>>後半へ続く