夏期講習でもeトレ演習コースを充実させ、外部受講生の獲得を積極的に進めています
未来教育舎 様(静岡県)
未来教育舎は静岡県下に6校舎を有しており、さらに今年の7月には新たに校舎を新設するなど、ますます勢いのある塾です。通常の集団授業とは別コースとしてeトレによる演習コースを小学生ではCAN、中学生ではCLAPとして設けています。
小1~6までの25人が1クラスでeトレ演習
まず訪問したのが藤枝校。玄関をくぐるとすでに、真っ黒に日焼けした元気の良い生徒たちが集まっており、eトレの授業が始まるのを待っていました。教室には大きな窓があって、そこから差し込む光が教室を明るく照らしています。生徒数は25人余り、小学1年生から6年生までさまざまな学年の生徒が同時に1クラスで授業を受けます。やがて、授業担当である山口先生が入室し、通常の授業と同じようにきちんとあいさつさせました。すると、あいさつすることにより、それまで騒々しかった教室の雰囲気が一変しました。こういった切り替えがやはり重要なのでしょう。
生徒たちは各自のクリアファイルを持っていて、中からプリントを取り出して早速取りかかっています。前回の授業終了時に解答途中だったプリントから授業を進めています。
▲eトレの授業開始
生徒の自己採点によるスピーディーな演習授業
そうこうしているうちに、プリントを解き終わった生徒たちが得点を入力してもらうために、先生のところに集まっていきます。5・6年生はチェック問題以外、自己採点するように指示されていたので(得点入力は先生が行います)、先生は手早く得点を入力し、続きのプリントを出力して、手渡していきます。その際、生徒は「お願いします」と言い、先生も「いいぞ!」「ここ難しかったか?」など一言添え、最後に「よし、次やってみろ!」と言って新しいプリントを渡していました。
このやりとりが軽妙で非常にテンポが良いのです。生徒たちもどんどんプリントをやってやろうという気にさせられるようで、得点入力待ちの生徒がひっきりなしに先生のところへと集まっています。教室全体が活気づいていて、スピード感さえあります。
一方で、私語は一切なく、生徒たちはプリントに黙々と取り組み、できたらスッと席を立って得点入力や採点をしてもらうため先生のところへ向かいます。ちょっとでも私語があると、すかさず先生が注意しています。緊張感のある授業を心掛けているようです。
▲ドキドキしながら採点を待っています
50分の授業時間で、10枚以上のプリントを解く生徒も
ただ、生徒の中には一度も採点に訪れていない生徒もいます。そうすると、先生が採点の合間に声を掛けます。「分からなければ、できたところだけでいいから持ってきなさい。」真面目な生徒ほど問題が解けなくても黙って取り組み続けるものです。先生はそういった生徒を見逃さず、しっかりとケアしていました。途中、山口先生が通常授業のため海野先生にバトンタッチ。
やがてあっという間に50分の授業が過ぎ、先生が生徒たちに声を掛けます。「10枚以上やった人」「9枚やった人」生徒たちの手が次々と挙がっていきます。多い生徒だと10枚以上は解いていたようです。「高学年は問題が難しいからたくさん解けなくてもいいからな」とフォローも忘れません。最後にまたきちんとあいさつをして授業終了です。
▲各自のプリントが収められているクリアファイル
ポイントカードでやる気アップ!
その後、生徒たちは「ポイントカード」を取り出して、丸印を書き出しました。(普段はさまざまなシールを貼っているようです)その日に解いたプリントに応じてシールを貼っていくのです。このポイントカードも、生徒たちのモチベーションを維持するための工夫のようです。
▲ポイントカード
地域の小学生の取り込みを図り
中学、さらには高校までの通塾を目指す
現在のeトレの使い方について教えてください。
小学生(算数・国語)、中学生で使用しています。それぞれCAN、CLAPという名称の演習コースとして生徒に受講させており、この演習コースは通常授業とセットで受講することはもちろん、単独で受講することも可能になっています。また、通常授業とeトレの演習コースは時間が重複しないようにスケジュールを組んでいるため、時間的な制約などで通常授業を受講できない生徒が、復習だけでもeトレでカバーする、といったような受講の仕方もできます。
eトレを受講している生徒数を教えてください。
通常授業を受けている生徒数に対して、小学4~6年生では5割程度です。中学1・2年生は5割程度、3年生では9割近くになります。1クラスは20~30人程度で、小学生、中学生で分けています。学年は混成で、例えば小学生のクラスであれば小学1~6年生が一斉にプリントを解いています。
eトレのクラスで気を付けていることはありますか。
eトレに限らず、通常授業でもそうですが「明るく」「楽しく」「元気良く」そして「よく褒める」これが原則です。eトレのクラスでもその点に気を付けています。 あとは「ポイントカード」を生徒に持たせています。これはステップに合格したら1ポイント、チェックなら2ポイントといったように決め、1ポイントにつきシールを1枚ずつ貼っていくのです。目標までのポイントを貯めれば景品を進呈するという趣向です。ちょっとしたことですが、生徒たちのモチベーションアップにはとても効果があります。生徒たちは景品目的というより、シールをどんどん貼っていくのが楽しいようです。子どもはシール大好きなんですね(笑)。
▲海野真年 先生
小学生対象 eトレ演習コース【通常時】
通常授業のオプション | 週1コマ | 3,360円 |
---|---|---|
週2コマ | 5,880円 | |
eトレのみ | 週1コマ | 4,200円 |
週2コマ | 7,560円 |
小学生のeトレクラスでは「児童数検」や「漢検」といった目標も持たせているようですね。
中学生に比べて小学生はどうしても学習の目的意識が低いです。そのため「児童数検」や「漢検」を受けさせて、目的意識を高めています。また、目に見える結果として保護者の方へのアピールにも役立ちます。漢検はeトレにデータベースがありますし、児童数検は専用データベースはありませんが、小学算数のプリントで練習すれば十分対応できます。
小学校低学年(1~3年)のeトレ運用について難しい点などはありますか。
高学年の生徒には自己採点をさせたり子機(生徒自身で得点を入力、問題をプリントアウトさせることができる)を使用させたりしていますが、低学年の生徒はそういうわけにはいきません。問題をどんどん解いて、どんどんチューターにプリントを持っていく生徒であれば良いですが、分からないと黙ってしまったり、さらに低学年特有の問題として、プリントが難しいのではなく、「読めない」「意味が分からない」という生徒もいるので、注意深くケアすることが大切です。
しかし、それでも低学年からeトレを学習させる意義は非常に大きく、保護者の方の信頼を得る絶好の機会ですし、生徒自身も小さいころから通っている塾ということで小学校高学年、中学、さらには高校までと通塾してくれる可能性が高くなります。
夏期講習でのeトレの使い方について教えてください。
普段、通常授業を受けている生徒はeトレを必修にしています。また学生徒獲得を目指し、普段よりも受講料を安く設定して受講生の募集をしました。特に、小学生では夏の間に「算数力を鍛える」と題して、1学期に学習した算数の復習を集中的に行っています。
小学生対象 eトレ演習コース【夏期講習】
内部生 | 6コマ | 4,200円 |
---|---|---|
外部生 | 4コマ | 2,800円 |
8コマ | 5,600円 | |
12コマ | 8,400円 |
生徒の募集方法について教えてください。
新聞の折込広告に募集チラシを出したり、近くの量販店に広告物を置かせてもらったりすることもあります。しかし、最も効果を上げているのは口コミや紹介です。生徒の友達や兄弟の入塾希望者は多いですね。小学生低学年はお兄ちゃんやお姉ちゃんについてきてプリントを解いて帰っていく、なんてこともよくあります。
さまざまな学年の生徒が同時に学習できるからこそですね。
はい、低価格で気楽にでき、ご兄弟と一緒という安心感も保護者の方にはあるでしょう。低学年のうちに学習の習慣づけができるだけでなく、実際に学力の向上も期待できます。というのも、小学校低学年でも学校で習熟度別授業があり、eトレを始めてから「習熟度の高いクラスになった」「テストの点数が上がった」という声も保護者の方から聞こえており、大変評判が良いです。
eトレを使った授業について今後の展望を教えてください。
小学生、特に低学年の生徒を早い時期から取り込み、中学、さらには高校へとつなげていきたいです。そのためにeトレの演習コースをより多くの小学生に受講させたいですね。将来的には6歳未満の子への幼児教育や、大学生、社会人を対象とした資格検定対策開講なんてこともeトレでできるようになれば面白いですね。
2009年8月取材 (eトレTimes 2009年秋号掲載)