自ら学ぶという意思を育む指導にeトレが効果を発揮!

井手塾 自立館大潟校 様(新潟県)

新潟県上越地方を中心に複数教室を展開されている井手塾では、それぞれの校舎が異なる指導形態で地域に根差した指導をしています。「井手塾自立館」として指導している大潟校では、自立型学習での学力アップのためにeトレを活用しています。

指導方針や指導形態、教室運営におけるコンセプトを教えてください。

井手塾では集団指導・個別指導を中心に指導を行っており、小学生から高校生まで続けて通ってもらいたいと思っています。最終的には、生徒たちが自ら学ぶ意思を持って学習できるようになるためのお手伝いをする、というのが大きな指導方針の一つです。そのため、新たな指導形態として大潟校では、自立型学習という形をとっています。

教室運営におけるコンセプトとしては「居心地が良い」ということを目指しており、「授業がないけれども、塾に来て過ごしたい」という環境が理想です。

eトレ導入のきっかけについて教えてください。

色々な教材・システムを試した結果、自立館としてやりたいことに一番合っている教材としてeトレを選択しました。最初にグループ全体でeトレを紹介されたときは、「プリントが出てくる機械」という認識でしたが、問題の内容が良く、同じような問題を繰り返し学習することができるという点も気に入りました。また、学習履歴がきちんと記録され、生徒自身がプリントを簡単な操作で印刷できるのも自立型学習にふさわしいと思いました。

▲佐藤吉則 先生

学習の流れについて教えてください。

生徒一人ひとりに「次のテストで何点以上とる」などの目標を記したノートを用意してもらっています。生徒は、塾に来たときには今日何をするかという学習予定を、学習後にはその感想と次回の学習目標をそのノートに書き記します。それを確認した上で学習内容をこちらから提案することもありますが、生徒自身で考えることが自立への第一歩だと思っています。「やりたいこと」がはっきりしている場合はそれを踏まえて学習を進めます。それが成果につながって来ると、さらに自分で考えて学習するようになるため、このノートがこの教室での学習の肝となっています。

学習のはじめに、生徒全員の共通課題として、計算や漢字のプリントに取り組みます。漢字であれば、間違えた漢字の意味を辞書で調べて、どのようなときに使われる漢字なのかをイメージできるようにします。その後、学習予定に沿ってeトレで演習に取り組みます。はじめのプリントも必ず用意をしているわけではないため、そのときはノートを書いて、学習を進めていきます。

▲生徒が目標を書くノート

eトレの運用方法について教えてください。

現在は小学生と中学生がeトレを中心に学習しています。ノートの行動目標に沿って、生徒自身でeトレパソコンを操作してプリントを出力しています。授業は1コマ50分で、小学生については時間帯だけを決めて通い放題としています。学習科目は特に指定していませんが、中学生は英語・数学が中心となっています。定期テスト前は、学校ごとのテスト範囲に合わせた学習計画を作成し、それに沿って学習を進めていきます。

eトレの効果について、事例があれば教えてください。

教室ごとに統一模試の平均偏差値を計算しているのですが、前年の8月から志望校を決定する1月までの期間で、中学3年生の5教科の平均偏差値が10以上伸びました。特に理科と社会には効果が顕著に現れたと思います。

さらにeトレを導入してから生徒数はずっと増え続けています。導入当時は25名限定の契約で使用していましたが、無制限の契約に変更し、学習管理もしっかりできています。そしてなにより、個別対応がしやすくなりました。定期テスト前には生徒がどこでつまずいているかを確認する必要がありますが、eトレがあるとその対策が簡単に行えます。

▲教室外観

教室内の掲示物が目立ちますね。

取り組んだプリントの枚数分のシールを生徒が貼っていき、絵を作成しています。現在はデナリ(マッキンリー山、標高6,190メートル)を作成していますが、使うシールの枚数は標高をA4用紙の長辺(0.297メートル)で割った概数21,000枚に設定しています。

ただ絵を作成するだけでは、なかなか生徒のモチベーションアップにはつながりません。その枚数に応じた金額をユニセフに寄付するという目標を設定することで、自分たちのしたことが誰かのためになる・役に立つということを目に見える形にしています。

現在作成しているデナリは、標高自体はエベレストより低いですが、ふもとからの比高が5,500メートルほどもあり、世界でもトップレベルの登高距離を誇ります。作成するものも何かしらのメッセージ性があった方が良いと思い、この山を選びました。新井教室でもこの取り組みを始め、現在は地元の妙高山を作成しています。

また寄付金についても、生徒たちや私たちが、身近でできる小さな努力や我慢をし、その対価として集めるようにしています。私の場合は自宅から教室まで歩くことでガソリン代を節約しています。生徒たちは毎月古紙回収をしており、地域での回収だけでなく、教室内でも行っています。他塾様から教わったアイデアですが、「ウラジロストック」という箱を設置し、不要な裏紙を計算や漢字練習などに使用し、両面使い切った紙を古紙として集めています。以前はすぐにゴミとして処分していたので、ゴミの削減や紙の節約にもつながっており、今では裏紙を活用することが、生徒たちの習慣となっています。

こうした「みんなでやっている」という一体感を通じて、勉強するモチベーションを高めています。

▲現在作成しているデナリの絵

生徒を集める方法を教えてください。

大潟校では、「勉強のジム」というコンセプトでチラシの作成をしています。ジムにはマシンがあるように教室には勉強をする環境があり、私たち講師は勉強を教えるというよりはジムのトレーナーのようにアドバイスをします。その上で自らトレーニングを行い、目の前の課題をクリアしていくことで勉強法の習得ができるよう、「分かる」を「できる」に変えることを目標にしています。

保護者対応について、どのようなことをしているか教えてください。

面談を一番大切にしています。生徒の様子を分析し、学習する内容とその学習方法を具体的に伝えるようにしています。その際に、「そりゃそうだ」と思われてしまうことを言わないように心がけています。漢字が覚えられないなら、漢字をいっぱい書こう、など保護者の方でも言えるようなアドバイスではなく、覚えるためにはどういったプロセスが必要か、それを私たちがどのように進捗を管理するか、といった具体性のある学習方法を提案する必要があると思っています。

指導の際に心がけていることを教えてください。

生徒には、間違えるときはしっかり間違えるように伝えています。間違いをすることは誰でもいやなことだと思いますが、誤魔化したりしてしまうと、いつまで経っても解く力は身に付きません。eトレのステップで間違えたところをしっかり見つめ直すことで、やり直しのリトライでちゃんとできるようになればいいと指導しています。

▲ユニセフからの感謝状

今後の展望、意気込みなどをお願いします。

今後やりたいこととして考えているのは、遠方でなかなか塾に通うことのできない生徒たちに、どのようにして在宅のままでも塾でのサービスの提供が行えるか、それに対してeトレをどのように活用していくのかということです。

自宅学習では、実際本当に学習をして、間違いに対してきちんと理解できたかどうかというのは、リアルタイムで分かりません。現在塾が抱えている大きな課題は「場所」と「時間」だと考えており、それを越えられるようなサービスをどのように提供するのか、家での学習でもタブレットが1台あって、さらにライブでつながっていれば実現できそうじゃないですか。それができるようになれば、塾の先生も、より働きやすくなると思います。

■井手塾(新潟県)


2018年4月取材 (eトレTimes 2018年初夏号掲載)