指導コンセプトは「個を見る指導」、eトレ演習で十分な演習量を確保
誠亘会 様(東京都)
東京都日野市にある、2020年4月に開校したばかりにして、すでに多くの生徒が集う誠亘会。 保護者や生徒との頻度の高いコミュニケーションの積み重ねにより、保護者からの信頼は厚く、口コミで生徒が増加する要因になっています。誠心誠意の「個を見る指導」で生徒たちが未来を創るきっかけになればいいと話す誠亘会では、どのようにeトレを活用しているのか、お話を伺いました。
とにかく量をこなすことで、1歩目を踏み出す力をつける!
通常授業にプラスしたeトレのコースで演習量を確保
まず、指導コンセプトを教えてください。
指導コンセプトは、生徒一人ひとりに寄り添う「個を見る指導」を行うことです。また、塾の指導方針としては、演習量を確保することですね。それから、まずはやらせること。生徒にも頭でっかちにやり方を考える前に、まず1歩目を踏み出す力をつけてもらいたいと思っています。
今は生徒が53人いますが、学習の定着や学力向上のためには演習量が必要だと考えています。そこで、通常のクラス指導の一部に、「ベースアップ演習」というeトレを使った問題演習特化コースを組み込んでいます。「ベースアップ演習」では、とにかく量をこなすこと、分からないことはその場で解決していくことを日頃から大切にして、必要な演習量の確保に努めています。eトレはそうした塾の方針にマッチしているので、とても使いやすいですね。
▲浅見貞夫 塾長
さまざまなレベルの生徒に適応するeトレで個にアプローチ
やらせっぱなしにしない工夫で生徒を深く知る
生徒の「個を見る指導」に、eトレはどのように関わってきますか。
そもそもeトレを導入したきっかけは、eトレが個にアプローチしやすいツールだからです。正直なところ、1コマ70分の演習時間内で生徒に目をかけず、ただ黙々とやらせっぱなしにしようと思えばできてしまいます。しかし、ここで本当に必要なのは、生徒の「個」をよく見ることです。eトレでは一人ひとりの学習状況に合わせて合格ラインを調整したり、プリントの使い方を変えたりなど、「個を見る指導」を行いやすい仕組みがそろっています。それらを活用し、やらせっぱなしにしないようにしています。
また、生徒を近くで見ている演習授業担当のアルバイト講師への指導も徹底しています。特に、責任感を持たせることと、生徒とのコミュニケーションを頻繁に取ることを意識させています。例えば、あえて生徒も講師も巻き込んで苦手教科や得意教科の話をして、何気ないコミュニケーションから生徒のことをより深く知る機会をつくるなどの工夫をしています。また誠亘会では、解答プリントを都度印刷するのではなく、分かりやすく冊子にまとめて教室内で共有しているのですが、これもアルバイト講師と協力しながら工夫し、作成しています。どうしたらより良くなるのかを日々考え、責任感を持って取り組んでもらえるように心がけていますね。結果、この工夫のおかげで紙のコストも抑えられているので、その点でも助かっています(笑)。
▲eトレ解答集を作成
eトレは生徒に「これだけできる!」を実感してもらえるツール
分からない部分への振り返り学習はラーニングプリントで
ベースアップ演習では、eトレをどのように活用していますか。
中学部の講座にて、eトレを活用しています。10~15人の生徒に対して3人の講師が指導しており、そのうちの1人が教室の外でプリントの出力と点数の入力をします。そして残りの2人が中で生徒対応しています。解き終わったら自己採点をさせ、埋められなかった問題は生徒自身でラーニングプリントを振り返らせています。
クラス指導は平日、ベースアップ演習は土曜日に実施してカリキュラムをすみ分けしていますが、ベースアップ演習ではこちらが驚くぐらい生徒の集中力が上がります。70分2コマ+10分休憩の計150分授業ですが、10分休憩の間も自然に、生徒が黙々と演習を進めているのです。実は、eトレ導入当初は、どのくらい演習に耐えられるのかと不安に思っていました。ところが、生徒が口々に「こんなにやったことがない!」と言いながら取り組む様子を見て、すぐにeトレへの自信を持つことができました。「これだけできるんだ!」と生徒にできる実感を与えられるのがeトレの魅力だと思います。
内容面でも、ラーニングプリントとステップ・チェックプリントの内容が連携していて、覚えた範囲を次の問題ですぐアウトプットするという構成のため、生徒が自力で進めやすいようです。
▲演習風景
保護者の口コミが通塾のきっかけに
日々のコミュニケーションが生む安心感が鍵
それでは、保護者への対応はどうしていますか。
保護者対応で意識している点は2点です。まず1つ目は、生徒を通して保護者に指導の意図・思いを伝えること。そして2つ目は、こちらが肝ですが、保護者との『直接的』なコミュニケーションを重視することです。私は日頃から保護者の方に、「保護者の方たちが悩まないでくださいね」と伝えています。つらいときや悩んだときは、塾に相談してもらえるように、日々の直接的なコミュニケーションを増やしておくことを大事にしています。例えば、保護者会後、わざわざ私と直接対面で話すために、順番待ちをしていただいていることもあります。日々の積み重ねが塾への信頼につながっていると感じられて、うれしいですね。
それ以外にも、電話や塾生専用マイページなどを通じて、日々の学習進捗報告や学習相談を受け付けています。スマホアプリで簡単に見ることができるので、コミュニケーションを気軽に取っていただいています。保護者会後の順番待ちもそうですが、何かあったときの窓口や相談先が塾に向いているのは、とてもありがたいことです。それがご家庭内で完結されてしまうと、退塾につながりやすいですからね。また、生徒や家庭内の情報を持ったもの勝ちだと思っています。保護者から得た情報が、生徒との新たなコミュニケーションのきっかけになり、良い循環が生まれています。 そして、チラシはまったく出していません。日々のコミュニケーションをしっかり行っているからこそ、保護者の方が周りに誠亘会をご紹介してくださっています。保護者の輪や口コミで生徒が集まってくれるのは、非常にうれしいですね。
▲教室外観
小学生へのeトレ活用、高校生指導も視野に
生徒たちが学校を選べる幅を広げたい
今後の展望はいかがでしょうか。
多摩の地域には良い学校はありますが、数自体は少ないため、都心の子たちと比べると学校を選べる幅が狭いのは事実です。そんな生徒たちの学力を上げて、選択肢を広げてあげたい。そのためには、まず生徒を増やすことからです。生徒が増えれば、目的別・学力別でクラスを設けられるため、生徒の希望に、より近い学習が提供できますよね。結果、生徒が学校を選ぶ際、幅を広げてあげられるようになるのが目標です。
また、今は小・中学生の指導を行っていますが、今後は高校生も視野に入れ、この地域の子どもたちの指導に取り組んでいきたいです。またeトレは、現在中学生だけの実施ですが、すぐにでも小学生に導入しようと考えています。そして、地域密着型の塾として、地域の方々に「あの塾なら間違いない」と思っていただけるような塾でありたいですね。
2020年10月取材 (eトレTimes 2021年新春号掲載)