英数2教科指導から、eトレを使った5教科指導で大手塾に対抗

美香英数塾 様(山梨県)

山梨県中巨摩郡にある美香英数塾の塾長は、なんとご両親やご親戚の方、皆さんが教師という環境で育ち、ご自身も教室立ち上げ以前は中学校教員(数学)として5年間教壇に立たれていました。

eトレ導入のきっかけについて教えてください。

もともとは英語と数学の2科目を指導していたのですが、理科・社会・国語についても指導してほしいと、昔から塾生や保護者の方に何度も言われていました。それに大手塾は5教科対応のところが多いので、その辺りが自分の塾の弱みでもあり悩みの種でした。特にテスト対策ではどの教科も大切だし、全部やってあげたいですよね。そんなときeトレのことを知り、これなら他の教科(理・社・国)も効率良く指導できると思い導入を決めたのです。

通常の授業で英語・数学を、eトレの時間で理科・社会・国語を指導しています。eトレでの目標は学校1週間分の学習を復習するというものです。中学生は平日部活があってなかなか時間が取れませんので、土曜日に120分(19時~21時)というコースを設定しています。

eトレコースの料金は、小学生は月額1,500円(40分×4週)のオプションですが、塾生のほとんどが受講しています。中学生は月額4,200円(120分×4週)のオプションで受講者は30人程度です。eトレの利用料金や用紙代など含めても、この料金で十分利益は出ています。

小学生のeトレについて教えていただけますか。

小学生のeトレの漢字練習は、本当に役に立っています。小学4年生の娘を持つ親として見ても、eトレを使った漢字練習はとても良いと感じています。学校では漢字テストが多いので、eトレでしっかり練習させて自信をつけさせるにはもってこいですね。

小学生だけだと騒がしくなると思われるかもしれませんが、eトレをやっているときにうるさくなったことは一度もありません。特に小学生には漢字中心に学習をさせていますが、学校のテストですぐに成果が出るので、生徒もeトレの漢字練習を楽しみにしているようです。教室では、教科書準拠の漢字の後、学年配当の漢字を練習することにしていますが、みんな騒がずに真剣に取り組んでいます。

▲教室看板

中学生ではどのようにお使いですか。

中学生は1年から3年まで混合でeトレ演習をしています。3年生の受験前の緊張感が1、2年生に伝わって、とっても良い刺激になっているようです。小学生が一緒のクラスに入ることもありますが、いつも静かすぎるくらいに緊張してプリントに向かっています。

テスト前は土曜日の9~17時を、塾生のみ無料で受講できるシステムにしています。普段からeトレを使っている生徒もそうでない生徒も来て、eトレはフル稼働です。テスト前は生徒たちも特に真剣ですから、1時間で20枚近いプリントをこなす生徒もたくさんいます。eトレなしでは、これほどのテスト対策問題を生徒に与えるのは絶対に不可能だと思います。

夏休みはeトレをどのように使われましたか。

今年の夏は、3日間の『eトレ開放日』というのを実施しました。普段eトレを受講している生徒もそうでない生徒も参加して、3日間無料でeトレ特訓を行うというものですが、塾生全員が参加して大盛況でした。無料ということで利益は出ませんが、学校でも話題になったようで、それだけでもやって良かったと思います。また、特に小学生はeトレ大好きという生徒が多く、1時間半やってもまだ足りないと言う生徒が何人もいました。

『1時間半では足りない』とeトレを楽しんでやってしまうのは、なぜだと思いますか。

自分のペースで自分の勉強ができるということが、生徒たちにとって楽しいのだと思います。さらに、プリント1枚の中の問題がコンパクトなので、どんどん量がこなせて達成感があるようです。生徒たちは「気が付くと時間が過ぎている」という感じです。また、私が普段の授業で気を付けていることとして、『生徒同士を比較しない』ということがあります。

だから生徒にも「問題を解くのが遅くても焦らない」「教室内でのプライドよりも、じっくり立ち止まって考える勇気を持とう」と常に言っているのですが、それがeトレのコンセプトと合っているのだと思います。

▲川手美香 塾長

eトレ演習クラスの様子をお聞かせください。

決まった時間で集中して演習をさせるため、タイマーをかけるようにしています。終わり10分前には声を掛けて、生徒自身が調整をして区切りをつけます。決められた中で、どれだけできるかというところを意識させています。

チューターとして塾を卒業した大学生が手伝ってくれています。塾の方針や雰囲気を分かってくれているのでとてもありがたい存在です。

単元は生徒自身が決めるという方針のようですが、やりたいところだけをやるようになりませんか。

大丈夫です。もちろん当初は私がおすすめ単元を板書して、生徒が必要なところを選ぶという形でした。しかし、生徒たちの自主性を尊重し、上手に誘導してあげると、生徒たちは自信を持って、どの単元にもトライしていきます。

また、面白いことに、途中からeトレをはじめた生徒は、他の生徒の学習方法を真似てしっかり成長してくれるのです。遊びと同じで、大人がいちいち言わなくても、子ども同士で成長できることって多いですよね。これもeトレがなかったら気付かなかったことかもしれません。

自分のやるべき単元を選ぶ力をつけるというのは、その生徒にとって、高校生、大学生、社会人と進む上で、人生の大きな財産になると思います。それくらいのことが自分でできなければ、社会に出たときに通用しないですよね。eトレの学習計画を自分で立てることで、単に勉強の仕方を覚えるだけではなく、自分で選択して決めたことに責任を持つ、ということまで身に付けることができるのですね。

部活が盛んな地域であると聞いていますが、授業を欠席する生徒も多いのではないですか。

はい、どうしても欠席は出てしまいます。しかし、このときeトレが大活躍します。部活の大会で2回お休みをして、次の土曜日に一気に4時間補習ということも少なくありません。eトレでやったところを学校の問題集で確認させていますが、問題集が解けるようになると、家に帰って続きをやろうとするのです。eトレが家庭学習のきっかけになっているようです。

eトレをやったあと問題集をやると、自分ですらすら進めることができる。それが生徒の自信となって、家でもやってみようという気持ちになるようです。

先生がeトレを使われる一番のメリットは何でしょう。

eトレのメリットは、利益ももちろんなのですが、小さい塾にとっては5教科指導できるということが、とても強みになっています。学区が外されてからは特に、生徒は個々にばらばらの単元を指導してほしいと言ってきます。eトレがなければ、5教科対応はとてもできなかったと思います。

理科・社会は特に、学校と塾の授業範囲がずれると意味がない教科なので、生徒ごとに異なる単元で指導できるeトレは、本当に役立っています。

今後はどのようなeトレ運営をお考えですか。

今の生徒の中には、eトレを毎日やりたいという生徒もいます。そこで今後の展開としては、今の教室以外に、ガラス張りのeトレ専用教室を作れたらと思っています。ただ、単なる自習室では駄目だと思っています。子どもたちはだれかに認めてもらわないと駄目なのですね。

今と同じようにチューターをつけてしっかり褒める。これは外せませんね。 eトレだけではなく、私は授業でも「褒めること」を常に意識しています。

また、生徒たちが自分で生きていく力を身に付けてほしい、そう考えています。授業も教師がただ一方的に教えるだけではなく、生徒たちが自ら考える時間をつくることを大事にしています。

■美香英数塾(山梨県中巨摩郡)

2006年取材 (eトレTimes 2007年新春号掲載)