2024.08.19
教室アピール
厳しさを演出すること
突然ですが、授業中のある生徒の態度が、きちんと勉強したいと思っている生徒に悪影響を及ぼしているとします。そして、その場にいる講師は厳しく叱ることができない。そのような場面を見たことのある方も多いのではないでしょうか。万が一そのような状況が続いてしまっては、塾の指導力は疑われ、保護者からの信頼も得られません。今回は、教室運営での基本として、生徒の叱り方について考えていきましょう。
いくら塾がサービス業とはいえ、生徒や保護者に対してただ優しいだけではいけません。そもそも叱らないことが、生徒の成長を阻害している可能性すらあり、優しさに加えて厳しさが必要です。皆さまにとって印象に残っている先生を少し思い出してみてください。どんなときでも優しい先生より、時に厳しく叱ってくれる先生の方がより印象深いのではないでしょうか。
さて、先生になろうという人は大抵子ども思いで、優しさを持っています。そんな人にとって、優しさは意識しなくても自然と出てきます。ただ厳しさは優しさとは違い、ある程度意識しないと、なかなか出せないものです。
またその表し方ひとつで、こちらの意図とは異なり、ただ先生に反発するだけということもあります。ですから厳しさは、きちんと演出して上手に使わなければならないと言うことができます。そこで、生徒に厳しく接する上で気を付けたいことを2つ取り上げてみましょう。
1.叱り方
叱り方ひとつで生徒に与える影響は違ってきます。ポイントは「事象を責め、生徒を責めない」ということです。「お前は本当にダメなやつだな」と生徒の性格や人格を直接的に非難してばかりでは、生徒はやる気を削がれてしまいます。
「分かっているはずなのに、なんでそんなことをしたんだ」と、生徒の起こした事象を責め、生徒自身を責めることはしない。そういう先生に生徒はその場で反発することはあっても、決して心の底から反発することはないでしょう。
2.講師間での意思の統一
気の弱い生徒ややんちゃな生徒など、生徒の性格などによって接し方を変えることは必要です。ただ何か悪いことをしたときには、それを叱る講師と叱らない講師がいてはいけません。「あの先生には何も言われなかったのに…」となってしまっては、生徒の不満の原因となってしまいます。
正しく叱った講師は反発を買い、さらに叱らない講師は生徒に甘く見られ、収拾がつかない事態を引き起こす可能性もあります。どのようなケースでどの程度生徒に厳しく接するか。その方針を講師全員に徹底し、共有することが大切です。
生徒全員を厳しく叱ること。時としてそういった厳しい指導が必要なのではないでしょうか。塾運営のための基本の再確認として、ぜひ参考にしていただきたいと思います。