2024.07.25

教室アピール

『演習』と『講義』、学力が伸びるのはどっち?

一口に塾と言っても、その指導形態はさまざまです。学校と同じように先生が黒板の前で講義をする塾もあれば、基本的には講義は行わずに生徒が黙々と問題を解いて帰るといった塾もあります。いわゆる講義中心の塾と演習中心の塾では、果たしてどちらの方が、学力を伸ばしやすいのでしょうか。

 

当たり前ですが、一方的にどちらが伸びやすいとは言えません。スポーツのことを例に挙げれば分かりやすいかと思いますが、ゴルフを始めようと思ったら上達への近道はたった二つです。それは良い先生にきちんと教わることと、練習場に通ってできるだけたくさん練習することです。

 

そうすると、教える部分をメインにしているのが講義中心の塾で、練習場にあたるのが演習中心の塾と言えるかもしれません。勉強の場合には学校という講義をしてくれる場所があるために、復習中心で勉強を進めようと思えば演習のみの指導でも成り立つわけです。しかし学校の予習中心で勉強を進める場合には、まず塾での講義が必要となるわけで、演習については授業内でも行いますが、不足する分は宿題として自宅で補わせるわけです。

 

自宅で勉強しない子どもたち

ただしここで注意しなければいけないのが、講義はちゃんと受けるのに家で宿題をやらない生徒です。一斉指導でも個別指導でも言えることですが、先生の説明を聞くだけで分かったつもりになり、自分では問題を解こうとしない生徒は、なかなか成績が伸びません。ゴルフ場に先生にスイングだけを教わって全然練習しないのと同じことですね。
最近の子どもたちは家で勉強をやりません。一生懸命指導していても、なかなか成績が伸びない生徒の多くは、ほとんどが"演習不足"なのです。

 

演習3:講義1のバランス

もちろん講義中心の指導でも、授業中生徒にテキストを解かせるなどして問題演習は行っていると思います。でもよく考えてみてください。先生が教えている時間と生徒が一人で考えて問題を解いている時間のどちらが長いでしょう。

 

おそらく講義の時間ではないでしょうか。そのため家で問題演習をやらない子は自分で考える時間や演習量が足らず、なかなか学力は伸びません。学力を身に付けるためには、最低教わっている時間の3倍の演習時間が必要なのです。この、講義時間1:演習時間3のバランスをつくるために、宿題以外にいわゆる練習場としての塾の演習指導が重要になってくるのです。

 

『演習』と『講義』は塾の両輪

ベテランの先生方の中には『自分が授業をしないで問題演習だけをやらせるのは授業ではない』と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、子どもたちに不足しているのが演習であるのならば、それを塾の指導の一環として行う『演習指導』も塾としての立派な授業であり、先生が講義する『教える指導』と同じ価値のあるものではないでしょうか。

 

演習と講義、どちらも重要なのは言うまでもありませんが、これからの塾の在り方として、教える指導とは別にひたすら生徒に問題を解かせる『演習指導』という“教えない指導”がより重要になってくるでしょう。

 

『演習』と『講義』、この二つを両輪として生徒の学力を伸ばす指導を検討してみてはいかがでしょうか。