2024.06.21
教室アピール
夏期講習への期待感を高める準備と工夫
夏期講習を実りあるものにするためには、単に講習の企画を工夫するだけではなく、生徒や保護者にそれをどう伝え、夏期講習への期待感をいかに高めるかが重要です。夏期講習を盛り上げて成功に導くために何をすべきか、「事前準備」と「始まってから」の2つに分けて考えてみましょう。
事前準備
1.生徒に夏期講習への意識づけを!
「夏期講習が大切」と話しても、大半の生徒はピンときません。そこで大事なのは、早いうちに夏期講習についての話題に触れ、生徒への意識づけを行っていくことです。
「去年卒業したAくんは夏期講習で頑張って、2学期にはこんなに成績が上がったんだぞ」
「夏期講習に参加するとこんなに良いことがあるぞ」
というように、実際の生徒のエピソードなどを交えてどんどん夏期講習について触れていきましょう。授業中にそのような話をすることで、生徒は知らず知らずのうちに夏期講習を身近に感じ、その重要性を意識していきます。
また夏期講習前には生徒面談を実施しましょう。面談では日程などの事務的な話だけではなく、1学期の状況に応じた具体的な目標と学習計画を立てて、生徒のモチベーションを高めることが重要です。
例えば「君は英語で苦戦しているから、2学期の定期テストでは10点アップを目指そう。夏期講習で英単語を徹底的に覚えれば必ず達成できるよ」といった具合に話をし、生徒が夏期講習に前向きに取り組めるよう促しましょう。
2.夏期講習の説明会を開きましょう!
外部の生徒が夏期講習を受講するかどうかは、塾生の保護者の意識次第と言っても過言ではありません。塾生の保護者の夏期講習への積極的な姿勢が、受講を迷っている保護者にとっての強力な後押しとなるのです。
そこで、保護者への意識づけのために保護者会を兼ねて夏期講習説明会を開きましょう。説明会では夏期講習のカリキュラムや日程の説明をするのはもちろんですが、それ以上に大切なことがあります。それは、夏期講習の意義や重要性について先生自身が熱意を込めて語ることです。
また夏休みの上手な時間の使い方や地域の受験情報などを説明するのもよいでしょう。そうすることで保護者に夏期講習への意識づけができ、また塾に対する期待感も高まります。
3.情報過多の折り込みチラシは危険!
外部生獲得に向けて多くの塾が夏期講習の折り込みチラシを撒くこの時期、チラシにできるかぎり多くの情報を載せてアピールしようとお考えの先生もいるかもしれません。でも少し考えてみてください。情報量が多くしっかり読み込まないと伝わらないチラシは果たして効果的と言えるでしょうか。
もちろん、その塾を検討中の保護者であれば多くの情報があってもしっかり読んでくれるでしょう。しかし、どの塾にするか決めかねている保護者にとってまず知りたいのは、その塾の特徴です。「どんな先生が教えてくれるんだろう」「どんな生徒が通っているのかしら」といったポイントが真っ先に飛び込んでこなければ、他塾との区別が付きにくく効果は半減してしまいます。
効果的なチラシを作る上でまず意識すべきは次の2点です。
①伝えたいことが「簡潔」に伝わるか
②「あった方がいい」という情報を詰め込んでいないか
多くの情報に埋もれてしまい、結果として一番伝えたい情報が伝わらないということはチラシに限らずよくあることです。「これもあった方がいいかな?」という情報はいっそ切り捨てて、伝えたいことが簡潔に伝わるチラシづくりを意識しましょう。
夏期講習が始まってから
1.夏期講習は「いつもの授業と違う」と思わせる工夫を!
たくさんの時間と労力をかけて準備をしてきた夏期講習。生徒たちが真剣に勉強に取り組み、達成感を得られるかどうかは、先生がいかに生徒たちのモチベーションを上げられるかにかかっています。
そこで肝心なのは講習初日の最初の授業です。いきなり授業に入るのではなく、「さぁいよいよ勝負の夏だ!この夏の目的は~」というようにまず勉強の動機づけの話をしましょう。生徒に『夏期講習はいつもの授業と違う』と思わせ、塾全体を夏期講習モードにするのです。
そのような特別な雰囲気の中で授業を行いながら、さらにさまざまなイベントを織り交ぜていくと、夏期講習はより盛り上がり、生徒たちの勉強へのやる気も保ちやすくなります。
イベントと言うと大げさに聞こえますが、毎回の授業で小テストを行い、成績上位者だけを発表するだけでも生徒たちを盛り上げるのには有効です。小さな工夫でも雰囲気はがらりと変わります。生徒に「いつもと違う」と思わせて、勉強へのモチベーションを保ちましょう。
2.保護者への報告を忘れずに!
ぜひ実践していただきたいのが、夏期講習の様子を保護者へ報告することです。保護者は決して安くない受講料を支払っているわけですから、子どもがどんな様子で勉強しているのか気になるはずです。また講習前だけ熱心に説明をしても、その後の対応がおろそかになってしまっては、保護者に悪い印象さえ与えかねません。
しかし、ただでさえ忙しい夏期講習、保護者への連絡まで手が回らないという先生もいらっしゃるかと思います。そこでおすすめなのが、LINEなどのSNSやメールを使った保護者への報告です。
「夏期講習ニュース」などと題して、生徒の頑張っている様子や講習中のイベントなどを送って報告するのです。活気ある夏期講習の様子が随時保護者に伝われば、「うちの子も頑張っているな」と安心しますし、保護者によっては「ここまでやってくれるのか」と良い意味で驚かれる方もいるでしょう。保護者の心情に気を配り、きちんと対応していくことが、保護者の満足感、そして塾の評判を高める一番の方法です。
3.夏期講習中に保護者会や面談を実施しましょう!
夏期講習の目的は、生徒の学力アップとともに2学期からの生徒の集客にあります。外部生として講習に参加している生徒をそのまま2学期からの塾生として迎え入れるためには、塾に対する保護者の信頼と理解が不可欠です。そのためにも、講習中には一度は保護者会や面談を開きましょう。
保護者会では夏期講習の報告はもちろんのこと、2学期以降の指導方針についても説明しましょう。特に入試情報と受験対策は、受験生の保護者だけではなく非受験生の保護者も気になるところです。入試情報に基づいて塾での受験対策をしっかりすれば、「この塾なら大丈夫」という保護者からの信頼につながり、ひいては2学期以降の通塾にもつながっていきます。
面談では、生徒の現状の診断や目指すべき目標、今後の学習ポイントなどを話しましょう。このとき、生徒の長所をしっかり説明することが大切です。「自分の子どものことをこんなによく見てくれていて、認めてくれている」そう感じてもらうことで、保護者からの信頼は一層厚いものになるでしょう。
【まとめ】夏期講習成功への道
事前準備
○夏期講習への意識づけを!
折をみて話をして、その重要性を認識させましょう。
○夏期講習説明会の実施を!
保護者も巻き込んで夏期講習ムードを高めましょう。
○情報過多のチラシは危険!
伝えたいことが簡潔に伝わる工夫をしましょう。
夏期講習が始まってから
○「いつもの授業と違う」と思わせる工夫を!
特別な雰囲気が生徒のチベーションを高めます。
○保護者への報告を忘れずに!
こまめな報告で保護者の満足度を高めましょう。
○講習中に保護者会や面談の実施を!
親身な対応で2学期からの生徒増につなげましょう。