2024.05.28

教室アピール

学生講師を200%活用する方法

もうすぐ夏期講習の時期を迎えます。外部生を多く取り込めるかどうかは、塾の評判にかかっています。生徒や保護者の間でその塾の良い評判が広がっていれば、それが口コミとなり夏期講習の生徒募集は安心していられます。では塾のイメージはどこからつくられるのでしょう。建物や料金、進学実績などさまざまな要素がありますが、何と言っても影響が大きいのは、そこで教えてくれる先生です。今回は、学生講師の上手な活用法について考えてみましょう。

 

個別指導塾の拡大と共に、アルバイトのいわゆる「学生講師」の存在は、もはや当たり前と言っても過言ではありません。アルバイトと言っても、生徒や保護者にとっては塾の先生です。そして気を付けなければならないのは、塾長が知らない間に学生講師が塾の評判を落としているケースです。

いくら学生講師の学力が高くても、あるいは教え方が上手くても、それだからといって評判が良くなるとは限りません。逆にそういった講師のちょっとした発言やしぐさが、生徒や保護者の気持ちを損ね、塾への信頼を失ってしまうこともあるのです。

 

講師は看板、まずは見た目と態度から

塾は学習指導を売るサービス業です。サービス業であれば、そこに携わるスタッフがそれなりの身なりや態度でお客様に良いイメージを与えるというのは基本的な常識です。そこにはアルバイトも専属もありません。まずは生徒や保護者の目で、学生講師を見直してください。

夏期講習からの入塾を検討している生徒も保護者も、初めは塾を外から見るのです。窓から見えた先生が、あるいは入塾パンフレットをもらいに行ったときに対応した先生が、だらしない服装だったり、妙にチャラチャラした格好だったりしたら、それだけで塾のイメージは下がります。外見や少し言葉を交わしただけでは、教え方が上手いとか下手とか分かるはずはありません。その先生の服装や話す態度で、人はその先生を、そしてその塾を評価してしまうのです。まずは、学生講師の見た目と態度をチェック。清潔感のあるきちんとした身だしなみと、明るいハキハキとした態度。この二つが基本です。

 

生徒に一番嫌われるのはえこひいき

「あの先生は○○さんだけに優しい」「△△くんにはいつも妙に厳しい」、こういった評判は間違いなくその先生の評判を落とし、ひいては塾の評判まで落とします。もちろん、えこひいきをする気がなくても、先生のちょっとした態度でそんな風に誤解を受けてしまうこともあります。見た目が良くかっこいい先生が、ついつい一部の生徒におだてられるままに馴れ馴れしい態度を取ってしまい、多くの生徒の誤解を受けて反感を買うこともよくある話です。

また、熱血講師が生徒のためを思って厳しく接した態度が、そのまま生徒からの反感を買う場合もあります。ほとんどの学生講師は、人格的には所詮まだまだ子どもです。勉強のできる生徒のもそうでない生徒にも、あるいは親しげに話し掛けてくる生徒にも内気な生徒にも、講師は良い意味で八方美人でなければなりません。その辺りのところをきちんと指導してあげてください。

 

アマチュア講師だからこそ、指導計画と予習を大切に

突然生徒から聞かれたことに上手く答えられずに信用を無くす。これはプロ教師にはあってはならないことです。しかし、アマチュアの学生にそれを求めることは困難なことです。では、どのようにしたらよいのでしょうか。

それは『突然の質問』を無くせばよいのです。
個別指導でその日に教える内容をその日に決めるようなことをすれば、当然予期せぬ質問や発言が出てきます。しかし、その日に教えることが事前に決まっており、その日に解かせる問題も決まっていれば、『突然の予期せぬ質問』の可能性は大きく減ります。さらには、その日の内容を学生講師自身が予習しておくことで、重要ポイントの説明や解き方の解説もとてもスムーズにできるはずです。

 

生徒の学習計画をしっかり立てるということは、学生講師の指導計画をしっかり立てることにもなります。学生講師を使う場合には、必ず生徒の学習計画をしっかり立てて、事前に『先生の予習』を確実に行わせるようにするとよいでしょう。eトレをお使いの場合には、ラーニングプリントが大いに役立ちますよ。

 

褒める角には福来る!?

最後に教え方の上手下手、学力の高低に関係なく、学生講師の生徒からの評判を上げる、とっておきの秘策をお教えしましょう。それは、学生講師に対して『生徒を褒める練習』をさせることです。

皆さんが子どもの頃好きだった先生を思い出してみてください。それは教え方が上手な先生でもなければ、学歴の高い先生でもなかったはずです。明るく元気で、そして自分のことを褒めてくれた先生ではなかったでしょうか。人間は、大人も子どもも誰もが自分を認めてくれる人間を求めているのです。

褒める理由は、なにも難しい問題が解けたときだけとは限りません。「今日は部活で疲れているみたいだったけど、よく休まず来たね」とか、「このノートの字、とても綺麗だね」などでも良いのです。そういった小さなことをたくさん見つけて、生徒に投げかけることで、多くの生徒や保護者からの信頼を勝ち得ることができるのです。

 

もちろん、学生講師に対して突然「今日から生徒を褒めろ」と言っても、そう簡単にはうまくいきません。だからこそ、きちんとミーティングや研修を行って、区別なく上手に生徒を褒める練習をさせてほしいのです。

実際、アマチュアでもプロでも褒め上手な先生は生徒がよく懐き、言うこともよく聞くので結果的は成績も上がるのです。褒める回数の多い先生は、生徒からも好かれ指導力も上がり、塾の評判も高めます。褒めることは講師や塾にとって良いことだらけだと思いませんか。

 

夏期講習からの生徒募集に向けて、今が最も重要なときです。さあ、学生講師を塾の戦力として200%活用できるよう、もう一度考えてみましょう。