2024.03.25
教室アピール
たかが服装、されど服装 ~服装も塾の看板の一部です~
塾の良さの一つに、運営方針の自由さというものがあります。それぞれの先生方が、ご自分の理念や信念に従って自由にカリキュラムを考え、自由な教室レイアウトで、そして自由な服装で学習指導をすることができます。今回は、塾の先生の服装について考えていきましょう。
スーツの先生、普段着の先生
一般に大手と呼ばれる会社組織の塾や予備校の場合、服装に関する社内規定なども明確になっている場合が多く、男性なら背広にネクタイ、女性もそれに準じた服装というところが大半でしょう。
それに対して、個人塾として運営されている学習塾の先生方の中には、背広やネクタイなどを着用されない方もいらっしゃるようです。もちろん、最初に述べたように、塾の先生が何を着ようとそれは全くの自由です。しかし、塾の先生の服装は、教室の外観と同じくらい重要ではないでしょうか。
先生?それともアルバイト?
筆者の体験ですが、ある個人塾様に訪問させていただいたときの話です。事務室に案内していただくと、そこにはジャージ姿の方とジーパン姿の学生風の方がいらっしゃいました。そのとき、正直な話『どちらの方が塾長先生なんだろう。もしかしたら、この方たちはアルバイトの先生で、塾長はほかにいらっしゃるかもしれない』と戸惑ってしまいました。
もちろんご挨拶をして、お話させていただくうちに、ジャージ姿の方が塾長先生で、ジーパン姿の方は学生アルバイトではなく、正社員の講師だということも分かりました。さらに、いろいろとお話していくと、お二人とも本当に教育に情熱を持って学習塾を運営されていることもひしひしと伝わってきました。
しかし、だからこそ私はやはりその先生方の服装がとても気になりました。話せばとても素晴らしい先生方であっても、話さなければその方たちの教育への情熱は分かりません。通りがかりに事務室を覗いただけの人から見たら、入塾を検討していた保護者の方であっても、中に見えるのは普段着のおじさんとジーパン姿の学生でしかないのです。
「教育に服装なんか関係ない」とおっしゃる方もいるかと思います。確かに服装で教え方が変わるわけではありません。ですが、特に初対面の場合には、それで先生に対する見方が変わってくるのも事実ではないでしょうか。
医者の白衣とパイロットの制服
例えば、自分が身体の調子が悪くなって、急いで近くの病院を訪れたときを想像してみてください。もしそこで、出てきたお医者さんがジャージ姿の普段着で、その横にいるはずの看護師さんもジーパン姿の学生風の格好だとしたら…。どうでしょう、そこで診てもらうのに少なからずの抵抗を覚えるのではないでしょうか。やはりパリッとした白衣を身に着けた先生の方が、患者である自身も、安心して診てもらうことができるのではないかと思います。
考えてみれば、お医者さんもパイロットも、あるいは裁判官の方だって、プロと名の付く仕事をされている方は、みんなそれらしい服装をしています。ジャージ姿のお医者さん、ジーパン姿のパイロット、Tシャツ姿の裁判官、何だかあまりお世話になりたくないような気がしませんか。
その服装がどんな機能を持つか、ということだけでなく、その服装が相手にどのような印象を与えるかということも、とても大切ではないでしょうか。
『先生らしく』見せる努力を
プロにはプロの服装がある、私はそう考えます。もちろん、塾の先生の服装が背広にネクタイしかない、とまで言うつもりはありません。しかし、少なくともその服装を見ただけで、生徒や保護者が『先生らしい人だな』と思えるよう気を遣うことは、プロの教師として大切なことだと思います。
先生が自分を先生らしく見せようとすることは、生徒や保護者の信頼をつくる第一歩として、とても大切な仕事ではないでしょうか。全くの余計なおせっかいだと、百も承知ですが、あえて言わせていただくなら「たかが服装、されど服装。良い服装も塾のイメージアップ戦略のひとつです」。