2024.02.01
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生徒の集まる教室とは ~見直すべき7つのポイントとアピールすべき3つのポイント~(1)
新年度がもうすぐ始まります。新入塾生募集としては、塾にとって1年で一番大切な時期ではないでしょうか。多くの学習塾がさまざまな工夫を凝らして募集をかけている中で、生徒が集まってくる教室とは一体どのような教室なのでしょうか。今回は生徒募集について、もう一度しっかり考えてみましょう。
生徒募集前、まずは自塾を見直そう
生徒募集の話になると、必ず出てくる話題として世の中の景気が挙げられます。しかし、それらが生徒募集に直接的に大きな影響を及ぼすわけではないと、生徒募集を成功させている教室の経営者の多くは考えているはずです。生徒が集まるかどうかは、周囲の状況ではなく、その教室にどれだけ魅力があるかにかかっていて、そこを真剣に考え、実践している経営者の教室には生徒が自然と集まり、繁盛していくのです。
塾の運営というのは本当に大変な仕事です。特に個人で運営している場合では、ついつい毎日の授業に追われ、いつの間にか教室の看板が古びて傾いていることすら気付かないこともあるとお聞きします。どんなに着飾っていても、靴が泥だらけでは魅力を発揮することはできません。新学期を前にもう一度教室を見渡し、何か足りないものがないかどうか、しっかりとチェックすることから始めましょう。
セルフチェックしてみましょう
新学期を迎えるにあたり、教室のセルフチェックをしてみませんか。次の【MY教室セルフチェックシート】を使って、YES・NOにチェックを入れてみてください。
MY教室セルフチェックシート
■以下の質問で当てはまるものにチェックを入れてください。
質 問 | YES | NO | |
---|---|---|---|
1 | 看板がきれいでしっかりしている | ||
2 | 玄関周りがきれいで、教室の雰囲気が分かりやすい | ||
3 | 事務室や教室はいつも整理整頓されている | ||
4 | 教室やトイレはいつも掃除が行き届いている | ||
5 | 教室案内や時間割・料金表がきちんと用意されている | ||
6 | 先生の身だしなみがいつもきちんとしている | ||
7 | 先生の言葉遣い、態度がいつもきちんとしている | ||
8 | 教室に規律があり、先生主導で生徒に勉強させることができる | ||
9 | 生徒一人ひとりに合った指導カリキュラムやシステムがある | ||
10 | 保護者とのコミュニケーション手段が確立している |
チェックが済みましたら、まず質問1から7までについてお聞きします。YESの数はいくつあったでしょうか。そして、正しい塾の運営としてはいくつYESがあれば良いとお考えですか。最初に結論を言ってしまえば、塾として必要なYESの数は7つ、つまり全部です。逆に1つでもNOがあれば、それだけですでに生徒募集に遅れを取ってしまいます。
「そんな厳しいことを言われても…」とおっしゃる先生もいるかもしれません。しかし、塾をレストランに置き換えて考えてみてください。お昼時、たまたま近くにレストランを見つけて、入ろうがどうしようか迷ったとします。そのとき、まず最初に見るのはお店の看板です(質問1)。看板が汚れていたり傾いたりしているようなお店に入ろうとするでしょうか。
次に、その店においしいものがあるかどうかです。入口の掲示物やのぼりなどの情報から、「この店の○○がおいしそうだ」「食材が新鮮そうだ」と考えるわけです(質問2)。もちろん、そのときにはその店の玄関周りの様子も見渡して、清潔かどうか、値段は高そうではないか、などもチェックしているはずです。
何とかここまでは合格、そしてお店に入ります。テーブルの上が片付いているのは当たり前(質問3)、もし前の客が使用していれば、そこを片付けるまで、客をテーブルに案内することはありません。もちろん、トイレだって一日に何度も掃除しています。ファミリーレストランのトイレを利用したときに、トイレ清掃のチェック表が貼ってあるのをご覧になったことはありませんか(質問4)。そして、客が料理を選ぶためには、分かりやすくきれいなメニューが必要ですね(質問5)。
ただし、いくらお店がきれいで料理がおいしくても、それをサービスする店員の身なりや態度が悪かったら、客は二度とその店に来ることはないでしょう(質問6・7)。
もうお気付きだと思います。チェックシートの質問1から7までの項目は、レストランの世界であれば、高級レストランであれ、近所の食堂であれ、基本中の基本なのです。これらの項目の一つでも外してしまえば、その店は決して流行ることはなく、繁盛しないでしょう。
これは、塾の教室でもまったく同じことなのです。このチェックが一つでも外れている塾には、誰も通いたがりません。つまり、景気に左右されずに毎年たくさんの新入塾生を迎えている塾というのは、この7つが当たり前のようにできているのです。まずはこの7つの基本をチェックして、できていないことがあればすぐに見直しましょう。
さらに魅力的な塾とは
次に、さらに魅力的で通いたくなる塾の条件について考えてみましょう。生徒や保護者にとって、新年度からの塾選びはとても重要です。塾がきれいで整頓されており、きちんとした先生がいるというのは当たり前の条件。生徒を集めるには、さらにその上の魅力をアピールしなければなりません。
では、どのような魅力をアピールすればよいのでしょう。例えば、塾のチラシやパンフレットでよく目にする言葉で『親身な指導』と『分かりやすい授業』といったフレーズがあります。この言葉をそのまま受け止めて、「あの塾は分かりやすい授業を、親身になってしてくれる」と考える生徒や保護者は、果たしてどれほどいるのでしょうか。
残念ながら、この言葉だけでは塾の魅力のアピールにはなりません。指導方針にしろカリキュラムにしろ、もっと具体的、あるいはもっと斬新なものでなければ、生徒や保護者に訴えかけることはできないでしょう。従来の指導方針を否定する必要はありませんが、やはり10年前から同じ指導だけを続けていても、それは魅力としてのアピールにはなりにくいものです。
どんどん移り変わる時代に合わせて、塾の中身も宣伝方法も、常にリフレッシュしていかなければ、あっという間に取り残されていってしまいます。何か一つでも去年とは違う魅力をアピールしていきましょう。
先ほどのセルフチェックシートの話に戻ります。質問1から7までの項目が基本事項とすると、質問8から10までの内容がプラスアルファの魅力にあたります。8から10に関して、YESはいくつあったでしょうか。
『教室の規律』『指導カリキュラムやシステム』『保護者とのコミュニケーションツール』、この3つを確実にクリアするのは簡単ではないと思います。しかし、生徒が本当に通いたくなる塾を目指すためには、これらの点がしっかりしていることが重要です。では、具体的にはどのような手を打てばよいのでしょうか。
生徒の集まる教室とは~見直すべき7つのポイントとアピールすべき3つのポイント~(2)>>後半へ続く