2024.01.05

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生徒募集成功のために、今すべきこととは(2)

基礎学力の向上、思考力の発達を目指し教育改革が進む一方、学校ではなく塾にそれを期待して入塾を決めるという保護者は少なくないでしょう。「学力を向上させたい」「今の学校の授業時間数では不十分」という考えは確実に存在しています。としたときに、塾の立場として「学力向上を目指す」「学校や家庭で不足している学習時間(量)をしっかり確保する」ことを明言し、新学期に向けた生徒募集を行うことが大切です。

生徒募集成功のために、今すべきこととは(1)>>前半の記事はこちら

 

確固としたコンセプトを持って生徒募集に臨む

新学期前こそ、自塾を見直す最大のチャンス

これからの塾の方向性について考えてみましょう。「学力向上」は塾にとって当たり前の仕事であり、いまさら取り立てて言うまでもないでしょう。では、新学期に向けて、今までと同様に熱心に授業をしていくだけでよいのでしょうか。

経済産業省の調査によると、全国の学習塾の数は47,570教室(2017年)と、2013年の統計(50,594教室)と比較すると4年で約3,000教室減っているのです。ただ数が減ったという話ではなく、新設された塾との入れ替わりが4割近く起きています。塾業界は安定した事業ではなく、競争と淘汰の激しく厳しい業界であることが分かります。
この厳しい業界で生き残り、成長していくためには、ただ漫然と「学力を向上させる」だけでは駄目なのです。生徒の学力向上のために、「どのような環境で」「どのようなスタッフが」「どういう考え方で」指導するかと真剣に考えて取り組んでいく塾だけが、生き残れるのではないでしょうか。

世間が求めていることが「トータル的な学力向上」であることを踏まえ、新学期に向けてもう一度自塾のコンセプトを見直してみてはいかがでしょうか。取り入れるべきものはどんどん取り入れ、改めるべきは速やかに改め、常に新鮮で魅力ある塾に生まれ変わっていくことが大切です。これまでの指導スタイルをただ続けていくだけでよいのか、新学期を控えたこの時期だからこそ、コンセプトの見直しには最高の機会だと考えます。

 

学力を高める方策は、目に見えるコンセプトで

塾の宣伝でよく見られる「親身な指導」「熱心な先生」「いつでも無料補習」、この言葉だけで塾をアピールすることは、先述の通り良策ではありません。子どもたちを取り巻く環境は常に変わり続け、家庭で勉強をしなくなっています。そうした中、ただ熱心に授業を行い、宿題を与えるだけで成績が上がるでしょうか。「分からないところはいつでも補習してあげる」と言えば、残って補習を受けるでしょうか。結局、宿題をきちんとこなすのも、自ら補習を受けるのも、前向きで優秀な生徒に偏ってしまうでしょう。

一人でも多くの子どもたちの学力を上げるには何をするべきか、考えるべきではないでしょうか。今できていること、逆に不足していること、これからできること、そうしたことをしっかり分析して明確な方針を打ち立て、具体的な作戦を練ることが急務でしょう。はっきりと明言し実行できる塾こそが、たくさんの生徒を集め、成長していきます。

 

キーワード①「個への対応」

学力向上に向けたコンセプトについて、具体的に考えてみましょう。指導形態はどうであれ、基本的に先生は教科指導を行いますが、学力を伸ばす生徒は、先生の説明をよく聞いているだけなのでしょうか。先生の説明をしっかり聞くことは当然として、宿題や問題集を解くといったことをしっかり行っている生徒が成績を伸ばしていきます。
では逆に、伸びない生徒というのはどうでしょう。授業を聞いてない生徒はもちろん、「授業は聞いているけど」で留まっている生徒です。そのような生徒に「熱心な授業」「無料の補習」以外に何ができるのかという点が重要です。

まず一つは「個への対応」です。塾に求められているのは画一的な指導ではなく、生徒個人のための指導です。当たり前のように思われる考えですが、塾は一般的にクラス単位の一斉指導であったり、生徒3人対講師1人の個別指導であったりと、本当に生徒と1対1で何から何まで指導できるというケースは稀です。そうした1対1の指導ではその分料金設定が上がってしまうなど、保護者の立場からしたらハードルは高くなってしまいます。とすれば、限られた条件の中で、いかに「個に対応しているか」を見せることが大切なのです。

 

キーワード②「分析」

そこで重要なのが、入塾時及び定期的な個人分析です。定期的に診断テストなどを実施し、しっかりとした個人分析をしてアドバイスを行うことで、生徒も無駄のない効果的な学習が可能となります。そうした診断結果は、保護者にも資料として定期的に伝えていくことが大切なのは言うまでもありません。『個への対応』をアピールするには、しっかり伝えなければ意味がないのです。

 

キーワード③「演習授業」

もう一つは「演習授業」という指導です。演習授業と言っても、単に宿題を出すということではなく、「演習」を授業の一環して正式カリキュラムに組み込む指導方法です。宿題をやってこない生徒を叱るより、家でやれない分を授業として行う方がはるかに効率良く学習できます。さらに、授業自体は共通のカリキュラムでも、演習は月例テストなどの結果をもとに個別のカリキュラムを作成して行わせることで、しっかり個別対応が可能です。授業として演習を行うことで授業料もいただけるので、先生にもとても良い話なのです。

実際、eトレを使った演習授業が全国8,000教室に広がっています。eトレでの演習授業のポイントは、あくまでトレーニングだということ。間違えてもいいから、どんどんたくさん問題を解かせることが大切です。そうして問題に慣れさせ、自分で問題を解く習慣を付けさせることが重要です。授業の一環として、楽しく明るい雰囲気の中、励ましながらたくさん問題を解かせていくことこそ、勉強を楽しくし、学力を向上させる具体的な方法になるのではないでしょうか。

先生の指導に付加して、授業として演習を行う。もちろん、演習授業には目的に応じたさまざまなコースを用意しておきましょう。それを、自塾の「成績を上げるシステム」として入塾パンフレットなどに掲載してしっかりアピールすることが大切です。

 

塾としての+αを

もう一つ考えておきたいのは、その塾の個性です。授業や演習以外に、何かしらプラスアルファの特長をアピールすることが重要です。それは必ずしも授業内容に関する必要はありません。例えば、「塾へ通い出してから、大きな声であいさつするようになった」「漢字だけはたくさん書けるようになった」ということも、十分にプラスアルファな要素でしょう。検定指導に力を入れ、その実績をPRすることも大きなアピールになります。
いずれにせよ、塾としての魅力をより強くアピールするには、授業だけにとらわれず、何かしらのプラスアルファの魅力を出せるよう、新年度に向けて計画を立てて実行していきたいものです。

 

他人の目で最終的なチェックを

新学期に向けた新たなコンセプトや付加価値をつくり出すことができれば、最終チェックとして、もう一度教室や先生を見直してみましょう。毎日の授業の忙しさに追われ、教室の内装や備品が汚れていたり、掲示物が古くなったりしていないでしょうか。また、先生の服装や身だしなみが乱れていないでしょうか。

授業内容や指導方針などは、外からは案外分からないものです。とすれば、外からの眺め、いわゆる『見た目』というのも非常に大切なのです。もう一度、他人の目で教室や先生がどのように見えるかをしっかりチェックして、新年度の生徒募集に臨んでください。